恩田 陸、1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大學卒。
1992(平成4)年、日本ファンタジー小說大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文學新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作傢協會賞を、2007年『中庭の齣來事』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞した。
ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で纔能を発揮している。著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝國 常野物語』『ネバーランド』『木曜組麯』『チョコレートコスモス』『きのうの世界』などがある。
ファンタジー、ミステリ、ホラーと、傍流係文學すべてにわたるジャンル開拓者としての恩田陸の仕事は注目すべきものだ。本作は、2つの紙袋が偶然入れ違うという小さなできごとが、まさにドミノ倒しのごとく、しだいに大事件へと膨れあがっていく様子をコミカルに描いたスラップスティック・コメディである。
7月のある蒸し暑い午後、営業成績の締め切り日を迎え色めき立つ生命保険會社から、差し入れ買い齣しのためにOLが東京駅に嚮かって走りだす。ここを物語の齣発點として、ミュージカルのオーディションを受ける母娘、俳句仲間とのオフ會のため初めて上京した老人、ミステリーの會の幹事長のポストを推理閤戦によって決めようとする學生たち、従妹の協力のもと別れ話を成功させようともくろむ青年実業傢、訪日中のホラー映畫監督など、さまざまな人間が複雑に絡みあうなかで、物語は日本中を揺るがす大事件へと発展していく。
狀況ごとにかき分けられたプロット同士が因果律によって綿密にリンクしあい、登場人物の內麵に深く入り込んだ視點によってできごとが相互主観的に語られていく。井上夢人の傑作『99人の最終電車』を連想させる作品だ。人物造形や狀況描寫などが多少パターン化されている感は否めないが、登場人物が東京駅に集うクライマックスに嚮けて、ジェットコースターに乗っているかのような気分で一気に読ませる手練には驚嘆せざるを得ない。エンターテイメントに徹した快作である。(榎本正樹)
發表於2024-11-14
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不斷轉換角度,描寫不同片段,最後逐漸現齣故事全貌,情節和時間纔對上號。可能是手法類似,沒讀幾頁就想起lush life,然後一邊讀一邊忍不住跟lush life對比。覺得這種故事結構,恩田陸不如伊阪幸太郎拿捏得好。
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