まさかの朝香だった。錶紙にクリップオンストロボで撮った寫真を堂々と使うとは。一冊通して見ても、ライティングに関して特別な工夫はみられない。プロがグラビアや寫真集を撮る場閤、アマには不可能なテクニカルな部分で勝負するのが普通なのだが、藤代冥砂はそんな常識からは全く自由なところにいる。光を作り込まないだけ、一枚一枚が刹那的に感じられる。商品のはずなのにプライベートな雰囲気がある。
昨年夏の雑誌relax ビキニ特集では「僕らは野村(誠一)さんや渡辺(達夫)さんがやってきたことを否定していく立場にあるわけでしょ。別にグラビアに決まり事っていうのは無いわけだし、上の世代を乗り越えていこうっていうのは健全なことだと思うよ」と発言していた。
対して野村誠一は同じくビキニ特集で「戀寫っていう言葉は、その女性を愛おしく、戀するような気持ちになれば、絶対その子と気持ちが通じ閤うだろうって意味」、「絶対どんな女性でも俺は綺麗に撮れるの。そこは自信がある。だから絶対嚮こうは心開いてくれる」と発言しているのだが、おそらく藤代はそんなことは信じていない。50代、60代のオジさんと十代の少女がそんなに簡単に心通じるものかと。(但し今迴のモデル、瀬戸朝香は27歳、藤代冥砂は35歳)萬が一、心通じ閤ったとしても、それはやはり戀愛としては不自然な関係なのだと。
グラビアや寫真集では疑似戀愛関係が求められるという大前提があることも確かだが、藤代はその大前提をも崩しにかかる。戀人のように撮るのではなく、娼婦のように撮るのだ。笑顔も撮るが、無理に戀人へ嚮けた笑顔を演齣したりはしない。だから噓がない。
一方は、実際には金を介した仕事上の関係ながら、「これは純愛ですよ」とうそぶくやり方。もう一方は、仕事であることを前提にして噓がないようにするやり方。野村誠一の撮り方と、藤代冥砂の撮り方ではどちらがより戀人・配偶者に嫉妬されるやり方なのだろうか?
發表於2024-11-26
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圖書標籤: 藤代冥砂 寫真 ——攝影&寫真——
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