本書は、前著『中國近代江南の地主製研究』(2001年刊)より殘る疑問を解決し、近代江南の地主製の 実態と変化を解明するものである。本書では、地主製の実態解明にあたり二つの方法を用いた。第一は、一次史料である租桟簿冊等の帳簿類、檔案史料に基づく分析。第二に、地域格差が大きく史料の精粗に隔たりがあり、実証的データの少ない現狀から、地域を江南、特に蘇州周辺に限定し考察した。更に、田業會(田業公會・田業會商処・田業改進會・田業聯誼會)という地主の同業団體と、前著では全く觸れていない日中戦爭期・內戦期の田租徴収問題に焦點をあて、より具體的に中國近代の地主製の実態に迫った。
著者はあとがきで次のように記している。「本書は序章で書いたように、2001年に公刊した『中國近代江南の地主製研究』の続編である。前書は1936年の日中戦爭前夜で終わっており未完成のままであった。
本書の第二章以下において、日中戦爭・國共內戦期の地主―佃戸問題を考察し、蘇州を中心とする一地域であるが、ようやく19世紀半ばの太平天國時期から約100年に亙る租桟という特異な組織を持つ地主製の実態と変化について、一定程度解明できたと思われる。これで多様性を持つ中國の地主製を説明できる訳ではないが、今後の研究の発展に寄與できればと考えている。」
本書は、膨大な史料を駆使して中國農村社會の実態と変化を解明した貴重な一冊である。
發表於2024-12-29
中華民國期江南地主製研究 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 明清史 土地製度
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