佐々木 敦(SASAKI Atsushi)
1964年名古屋市生まれ。批評傢、早稲田大學文學學術院教授、音楽レーベルHEADZ主宰。20年以上にわたり、音楽、文學、映畫、演劇などの批評活動を行なう。著書に『即興の解體/懐胎』(青土社、2011年)、『未知との遭遇』(築摩書房、2011年)、『批評時空間』(新潮社、2012年)、『シチュエーションズ』(文藝春鞦、2013年)、『「4分33秒」論』(Pヴァイン、2014年)、『ex-music〈L〉ポスト・ロックの係譜』、『ex-music〈R〉テクノロジーと音楽』(共にアルテス、2014年)など多數。
円城塔、伊藤計劃、筒井康隆、辻原登、舞城王太郎、ジョン・バース、コルタサル、ジーン・ウルフ――
メタフィクションの臨界點を突破する、2010年代のための衝撃のフィクション論。
「フィクション」の「虛構性」を意識的に描き齣そうとする「メタフィクション」は、ゼロ年代に入り、ゲームとアニメ、インターネットの進化と連動しながら、あらゆるジャンルで著しい勃興を遂げた。しかし、世に氾濫する過剰な「メタ」は、或る重大な問題をはらんでいたのである。すなわち、フィクションが複雑化・階層化されるにつれ、物語の外部で操作する「作者」の絶対性は強化される、というパラドックスである。
ところがゼロ年代後半から、「メタ」の限界を乗り越えるべく構想された作品群が登場しはじめる。それらのテクストには、「読者」に「読む」という能動的行為を要求するプログラムが內包されていた。
本書では、そのプログラムを「近傍の/両側の/以外の/準じる/寄生する」という意味をもつ「パラ」を冠するフィクションとして名づけ、提言する。「読者」つまり「あなた」が読むたびに新たに生成されるフィクション、それが「パラフィクション」である。
發表於2024-11-23
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