ユーラシア世界を一體の世界とする立場から、「渤海」と「藩鎮」を軸に遼の地方統治を考察し國傢統閤のあり方を解明する
http://www.kyuko.asia/book/b253135.html
【本書より】(抜粋)
十世紀初頭に成立し、その後二百餘年にわたりモンゴリア、マンチュリア、中國本土北辺を支配した遼=契丹國(以下、遼と稱す)は、次の二點において歴史研究上の意義を有すると考えられる。 第一に、多文化社會の在り方を理解するための格好の事例であることである。遼はその支配領域內に、さまざまな文化的・社會的背景が異なる集団(容易に確認できるものとしては「契丹人」と「漢人」が挙げられよう)を包含し、それらの集団が互いに多種多様な形で接觸を行っている。多文化社會や異文化接觸自體は歴史を通じて普遍的に見られる現象であり、その具體像を明らかにするのは歴史研究において主要な課題の一つであることはいうまでもない。遼の研究はその一翼を擔うものとして位置づけられよう。
第二に、遼が現在の中國を考える上で重要な転換期に位置していることである。遼は所謂「徵服王朝」の時代の端緒であり、その統治を解明することは、続く金・元史を理解する上で大きな意味を持つ。他方、遼代は中國史上で「唐宋変革」と稱される社會変動の時期に相當している。遼と「唐宋変革」はこれまでほとんど関連づけられてこなかったが、時期と地域を考慮すれば、両者を無條件に関連のないものとすることは問題があり、両者の関係を検討することにより、この変動期について新たな知見を得ることが期待できる。本書ではユーラシア世界を一體の歴史世界として理解する立場から「中國史」における「北流」と「南流」を統閤的に把握することを中心的な課題としつつ、遼における多元的狀況の統閤の在り方についてその一端を明らかにすることを目的とする。その目的を達成するには多くの分析視角が考えられるが、本書では「渤海」と「藩鎮」を軸として遼の地方統治についての検討をおこなうことで遼の國傢統閤のあり方を明らかにするという方法をとる。
發表於2024-11-04
渤海と藩鎮 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 遼史 曆史 藩鎮研究 日本漢學
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