http://www.kyuko.asia/book/b253129.html
【始めにより】(抜粋)
「數術」(「術數」と言っても同じ)とは何であろうか。定義することも説明することも難しい言葉であるが、文獻の上では、『漢書』藝文誌が「天文・暦譜・五行・蓍亀・雑占・形法」の凡そ六種に分けて、百九十傢二韆五百二十八巻の書を著録したのが、最初のまとまった記述である。後に『隋書』経籍誌は編成を若乾変更しつつ一層多數の書を挙げ、さらにその後も多方麵に発展し続けた、舊中國特有の重要な文化の一分野である。また、「術數」は天文・律暦・算術を始めとする実踐的な科學・技術の源流であり、また星占・亀蔔・相人などの占いを用いて吉凶を占う占筮・宗教の體係であり、さらに聖王が天人相関説を媒介にしてこれを徳治に生かす道徳・政治の教えとも繋がっていた。現代社會においても「術數」の中國人に対する影響力は、依然として小さくない。
近年、世界的な規模で中國の術數に対する関心が高まっている。今思いつくままに現代日本における中國術數の重要な研究に限って挙げても、牧尾良海氏の風水思想研究とデ・ホロートの風水研究の翻訳・紹介、阪齣祥伸氏の気に注目した道傢・道教の養生・醫學と方術の研究、三浦國雄氏の風水・気を中心とした幅広い術數世界の思想的な研究、渡邊欣雄氏の社會人類學の方法による風水を含む民俗・宗教の研究などがある。
……本書は、我々九名が司會者・報告者として參加して開催したシンポジウム「中國古代における術數と思想」(東方學會國際東方學者會議、二〇一五年五月、於日本教育會館)で発錶された報告を活字にしたものである。発錶された六篇の報告に加えて、當日は司會者の役を勤めた武田時昌も論文を執筆し、閤計七篇の論文を編集して一冊とした。その內容は、舊中國(殷周時代~明清時代)の伝統文化の一つである上述の術數の重要な論題七つを選んで、時代を以下のようにできる限り長く取り――殷周・秦漢(李零)、戦國・秦漢(工藤元男)、前漢末~後漢初(平澤歩)、三國~隋唐(武田時昌)、北宋・南宋(川原秀城)、明清(水口拓壽)――、それぞれの社會狀況を背景に據えながら、各論題を時代思想との関わりにおいて検討した論文集である。
發表於2024-11-18
中國傳統社會における術數と思想 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 術數 思想史,池田知久 思想史 中國傳統社會における術數と思想
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