薬草茶づくりの名手であるおばあちゃんと、小さな山小屋に暮らす女の子・雫石(しずくいし)。心豊な生活を営む2人だったが、雫石が18歳になったとき、ふもとでの開発が原因で、山を降りることを餘儀なくされる。「いつでも人々を助けなさい。憎しみは、無差別に雫石の細胞までも傷つけてしまう」というおばあちゃんの助言を胸に、山を降りた雫石は、不思議な力をもつ占い師・楓(かえで)のもとでアシスタントとして働くことになるが…。
どこか浮世ばなれした雫石、超能力をもつ楓。そのパトロンで戀人の片岡さん。雫石の戀人の真一郎くん、アパートの「ものすごくいやな感じ」の隣人。彼らが繰り広げる物語は、『キッチン』から『アムリタ』までの初期の作品を彷彿とさせるファンタジックなストーリーである。しかし一片の無駄もない文章とストーリーで組みあげられた本書は、円熟期にある作傢の手で極限まで磨きあげられた珠玉の作といえる。そして同時に、「また新しい章が始まる」という印象的な言葉で締めくくられているように、吉本文學の新たな作品世界の萌芽を予感させるものでもある。
「守られている女の子の生き方の物語」である本書には、著者の計り知れない他者への愛情の深さがにじみ齣ている。行方不明のインコを探してほしいという少年に、噓をついてしまう楓。不倫関係にある真一郎くんとの戀をひそっりと続けていく雫石。たくさんの無垢な魂が、それでもしっかりと人生を歩んでいく姿が胸を打つ。物語に靜かに流れる、決して聲高に叫ばれることのないメッセージが、読むものの心をじんわりと癒してくれる。(中島正敏)
發表於2024-11-16
王國―その1 アンドロメダ・ハイツ― 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 日本
今は今しかいないと思わせくれるのが戀だ
評分初めて日本語版小説を丸ごと通読しおわり、やほー!
評分淒風苦雨的夜,讀吉本芭娜娜,這樣的心情。
評分第二本書...然後覺得香蕉同學的書..都一個樣子..
評分第二本書...然後覺得香蕉同學的書..都一個樣子..
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