太田 泰彦(おおた やすひこ)
日本経済新聞論説委員兼編集委員
1961年生まれ。北海道大学理学部卒業、85年日本経済新聞社入社。科学技術部、産業部、国際部、ワシントン支局、経済部、フランクフルト支局、論説委員兼国際部編集委員、同アジア総局駐在などを経て現職。2017年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。
※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。
发表于2024-11-16
プラナカン 東南アジアを動かす謎の民 2024 pdf epub mobi 电子书
图书标签: 人类学 东南亚研究
【気高い美意識の謎に満ちた氏族】
プラナカンと呼ばれる異色の民が、東南アジアの国々にいる。 ある者は貿易で巨万の富をつかむ夢を抱いて。またある者は凶作と貧困から逃げ出すために。福建や広東の華人たちは、生死をかけてマラッカ海峡の新天地を目指した。男たちはマレー半島やスマトラ島、ジャワ島の妻と所帯を持った。熱帯の日差しを浴びて生まれ育った子孫が、やがて中国でもマレーでもない、万華鏡のように色鮮やかな独自の文化を開花させていった。彼らは、華僑とも異なる存在で、アジア経済界で隠然とした勢力を誇ち、その気高い美意識を誇る氏族の素顔は、いまなお謎に包まれている。19世紀には英国の東インド会社と手を組み、香辛料貿易、スズ鉱山、ゴム栽培で商才を奮った。あるいはアヘン取引、奴隷貿易によって無尽蔵の財をなした。富を現代に継ぐ末裔は、自らの歴史を封印したまま多くを語らない。
欧州の列強国とアジアの狭間で繁栄し、絢爛な文化を築き上げた彼らは、グローバリゼーションの波間を駆け抜ける「通商貴族」とも呼ぶべき存在だった。彼らは経済をどのように牛耳り、歴代の先人が残したその伝統を、誰が未来に渡すのか。栄華の痕跡を残すマラッカ、ペナン、シンガポールの街のほか、東南アジアの各地をめぐり、秘められたプラナカンの物語の扉を開く。
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