2012年12月9日に開催された、京都大學文學研究科・文學部公開講演會「日本語の起源と古代日本語」に基づく。日本語は、係統関係の不明確な言語といわれている。しかし國語學、比較言語學の専門研究者は、文法構造や音韻の比較から、日本語を様々な言語や語族と関連づけようとしてきた。日本語は、日本人はどこから來たのか。そのルーツはどこにあるのか。本書はこれまでの起源論を整理し、新しい起源論の可能性を探ってゆく環境を整えることを目的とした、日本語の起源に関する最新の研究成果である。
【目次】
序文(服部良久)
第1章 日本語起源論の整理(木田章義)
はじめに/1 日本語の起源論爭/2 朝鮮語と日本語/3 アルタイ語/4 音韻対応以外の要素/5 モンゴル語と日本語/6 タミル語と日本語/7 その他の言語との比較:(1)南島語/(2)ツングース語/(3)チベット語/(4)アイヌ語/8 統計學的研究/9 類型學と遺伝學/10 日本語の変化の速度
コラム 印歐語族/上代特殊仮名遣/アルタイ語族
第2章 私の日本語係統論――言語類型地理論から遺伝子係統地理論へ――(鬆本剋己)
はじめに/1 類型地理論から探る言語の遠い親族関係/2 人稱代名詞から導かれた世界言語の係統分類/3 言語の係統とその遺伝子的背景/4 東アジア諸集団におけるY染色體遺伝子係統の分布/5 太平洋沿岸係集団の環日本海域への到來時期
鬆本剋己先生の「私の日本語係統論」に対するコメント(吉田和彥)
第3章 古代日本語動詞の歴史的動嚮から推測される先史日本語(釘貫 亨)
はじめに/1 動詞から動詞を作り、多くの要素から動詞を作る/2 動詞から形容詞を作る/3 動詞の形を変えずに形容詞を作る―動詞の形容詞的用法―/4 古代語動詞増殖と音聲の関係/5 有阪法則とは何か/6 古代日本語の歴史的変遷から推測される先史日本語
第4章 古代日本語のうつりかわり――読むことと書くこと――(大槻 信)
はじめに/1 読むこと/2 訓読と訓點/3 読むことと書くこと/4 書くこと/5 和文體の成立/6 和漢混淆文/7 おわりに日本語起源論の整理と再齣発。最新の研究成果と未來への可能性がここにある―
發表於2024-11-27
日本語の起源と古代日本語 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 日本史 語言文字學
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