塼畫(せんが)・壁畫史料を歴史研究に活かす研究者待望の目録が齣來ました!
甘粛省敦煌市の東郊に位置する仏爺廟(灣)の古墓(44FYM1001)から塼畫が見つかったのは、第二次世界大戦中の1944年のことであった。発掘調査を擔當したのは嚮達が率いた西北科學考察団歴史考古組で、その一員だった夏鼐や閻文儒らによる報告が殘されている(夏「敦煌考古漫記」(一)/閻「河西考古簡報」(上))。當該墓の墓主は伴齣した鎮墓瓶の銘文から翟宗盈と判明したが、年代についても銘文の書蹟や內容などから魏晉・六朝時代と推定された(現在では、3世紀末以前の西晉時代とされている)。これが河西地域の古墓からの塼畫の初齣例である。
それから四分の三世紀を経た現在までに、この地域では百座前後の古墓から塼畫や壁畫が齣土し(関尾「甘粛齣土、魏晉時代畫像磚および畫像磚墓の基礎的整理」/「畫像磚の齣土墓をめぐって」)、その研究も中國では活況を呈するようになった。また俄軍他主編『甘粛齣土魏晉唐墓壁畫』全3冊のような、塼畫・壁畫の寫真を収録した大型図録本も刊行された。しかし塼畫については、それぞれが墓中のどこに配されていたのか、という問題になると、わからないことも少なくない。それどころか、齣土墓に関する情報がほとんど提供されていないもの(すなわち齣土墓不明塼畫)さえ一點や二點にとどまらないのである。塼に描かれた、または刻された畫像を美術作品として鑑賞するのであれば、それでもかまわないのかもしれないが、歴史研究に資料として利活用する場閤には、これは大きな障壁になってしまう。國內では、塼畫・壁畫やそれが齣土した古墓(群)の研究が停滯している一因もここにあるのではないだろうか。
このような現狀を少しでも打開したいという思いもあり、本書では、市県ごとに塼畫・壁畫が齣土した河西地域の古墓(群)について解説篇で概述した上で、目録篇では墓ごとに齣土した塼畫や壁畫を一覧できるようにした*。この地域で墓に塼畫・壁畫が用いられるようになったのは後漢時代までさかのぼり、以後、このような墓の築造は唐代に至るまで斷続的に続けられ、技法にも変化が見られるが、本書が対象としたのは、魏晉・〈五鬍十六國〉(以下、錶題も含め〈五鬍〉)時代に築造された墓とそこから齣土した塼畫・壁畫に限定されている(一部に後漢時代までさかのぼる可能性があるものを含む)。
これはひとえに編者の関心の所在と力量に由來しており、それ以外ではない。
*このうち、嘉峪関の新城、同・牌坊梁、酒泉の高閘溝、同・西溝の各古墓群齣土の塼畫については、すでに「河西魏晉墓齣土磚畫一覧」と題して、『西北齣土文獻研究』第10號、2012年と、同第11號、2013年に一覧を分けて公錶した。本書への収録にあたり、データを大幅に補ったので、以後は本書を定本としたい。【「はしがき」より】
發表於2024-11-22
河西魏晉・〈五鬍〉墓齣土図像資料(塼畫・壁畫)目録 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 魏晉南北朝 日人漢學
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