それぞれの願いを胸に、諸社寺詣でを決行し、おのが身の不運を嘆き訴えることで、日々のより平安な生活をひたすら求めて祈願した王朝女流日記の作者達。その中から『蜻蛉日記』と『更級日記』をとりあげて、彼女達が旅の途上において見聞するに至った自然や風土などを考察した日記文學の諸論考。そこには悲嘆の中にあっていささかの光明を求め続けて生き抜こうとする、王朝女性達の生きざまがありありと見えて來る。『小野篁集』『篁日記』との呼稱も見える『篁物語』を次に続けて、歴史と密に関わりつつ考察。とりわけ第一話を柱にしていて、異母妹と「篁」との純なる愛の交渉のあとが浮かびあがる。また、平安文學の巨峰ともいわれる『源氏物語』の、中でも特に第二部における中心人物である、「柏木」「夕霧」「女三の宮」などの人物論を軸とした論考が続く。紫の上の病臥・女三の宮と柏木との密通・女三の宮の齣傢・柏木の死・紫の上の死と続く第二部は、極めて暗黒の世界である。その中にあって、光源氏がいかに堪え・生き・晩年を迎えたかなどについても考察。
發表於2024-12-28
王朝文學論考 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
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