紀田 順一郎(きだ・じゅんいちろう)さんは、1935年横浜生まれ。
書物論、情報論、近代史などを専門として評論活動を行うほか、小説など創作も手がけています。
情報収集力、行動力、分析力、文章力いずれにおいても定評があり、『私の神保町』(晶文社)、『二十世紀を騒がせた本』(平凡社)、『日本博覧人物史』(ジャストシステム)、『コンピューターの宇宙誌』(荒俣宏との共著、同)、『奥付の歳月』(筑摩書房)、『東京の下層社会』(同)、『日本人の諷刺精神』(蝸牛社)など多数の著書があります。
松籟社からは2005年6月に『書林探訪』を、2005年10月に『読書三到』を上梓されています。
紀田さんはご自身のウェブサイトをお持ちです。サイト名は紀田順一郎のIT書斎。ぜひ訪れてみてください。
发表于2024-11-27
戦後創成期ミステリ日記 2024 pdf epub mobi 电子书
图书标签: 推理评论
ミステリというジャンルに属する小説は、現在、とてもよく読まれています。外国作家のもの、日本の作家のもの、現代作家のもの、過去の名作、書店の店頭では、多くの推理小説を手にとることができます。
しかし今から50年ほど前は、推理小説というものはとてもいかがわしくものとされ、おおっぴらに読めなかったのだそうです。電車のなかで読むなどもってのほか、どうしても読みたい場合にはしっかりとカバーをかけてばれないように読む、そんな時代がほんとうにありました。
そんなキワモノ視されていたミステリというジャンルが、徐々に読書人口をひろげ、こんにちの隆盛に至ったのはなぜか。
ひとつにはもちろん、著者・訳者・出版社をはじめとするミステリの送り手側の努力がありました。江戸川乱歩の地道な活動をご存じの方も多いでしょう。しかしそこには同時に、受け手・読み手の側からの影響も見のがすことができないのです。とくに、戦後、全国でさかんに行われた、ミステリ愛好者-彼らは、自らをミステリの「鬼」と称しました-による同人活動は、日本におけるこのジャンルの発展に大きな影響を与えました。
さて、たまたま手にとった一冊の推理小説がきっかけで、この「鬼」たちの世界に入った高校生がいました。のちに紀田順一郎という筆名を用いることになるこの若者は、たちまちミステリにのめり込み、積極的な同人活動を開始します。その貴重な記録をまとめたのが、本書『戦後創成期ミステリ日記』なのです。
ミステリの新刊書評などなかった時代、本格的な新刊ミステリブックガイド「To Buy or Not to Buy」を月イチで発表するなど、紀田さんが発表した評論・論考群はほとんど伝説化しています。その多くを、本書はまとめました。さらに、当時の貴重な写真資料(「早川ポケミス」創刊時の広告)や、数多くの書影を収録しています。
また、同人活動の思い出、大伴昌司や桂千穂をはじめとする仲間たちとの交流を振り返る、書き下ろしエッセイを巻頭に収録しました。
戦後ミステリ界の熱気を伝える第一級のドキュメントです。ぜひ、お読みください。
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