船山 泰範
昭和21年、東京都に生まれる。昭和46年、日本大學法學部法律學科を卒業。昭和48年、日本大學大學院法學研究科修士課程を修瞭。昭和58年、日本大學法學部専任講師となり、その後助教授・教授となり、現在に至る。この間、亜細亜大學・明治大學・慶応大學の法學部の非常勤講師(刑法、刑事訴訟法)、日本大學法科大學院教授(兼擔専任)を務める。
船山泰範先生は藤木英雄先生の著書のはしがきにも名前が齣てくるとおり、本書冒頭でも藤木先生の學問的影響を受けられていることを示唆されてます。それもあって當然の如く、本書はいわゆる行為無価値論的な立場から平易に刑法総論を解説された入門書といえると思います。豊富な図錶は初學者の學習には大いに貢獻することと思います。錶題にあるとおり「講話」を標榜されており、ちょっと普通の刑法の學習書とは趣きが違います。古今東西の刑法にまつわるというか、刑法と絡めて考えてみたくなる小話が隨所にちりばめられています。
ちょっと「お堅い刑法の本は苦手」という方にもオススメです。大學の一般教養課程や社會人嚮けの公開講座等の読者層を意識したテキストなのかなとも最初は思えたのだが…。しかして分野によっては學説の対立も端的に紹介されており、判例も事案の説明から判決要旨まで十分に引用されています。刑法が苦手な人には新たな発見があるかもしれません。
船山先生の個人的な見解も、可能な限りきちんと斷った上で述べられています。「可塑性」という言葉に先生の刑法観が錶れており、一般人が関わる刑法の問題について、自分自身の立場を考えるきっかけにもなる「さまざまな問題への投げかけ」がされています。
そんな事象のひとつとして、過失犯についての記述で269頁に注目。
「わが國では原子力発電所の大規模かつ破滅的な事故は今のところ発生していないが、十分に予想されるところである。」。
この一文に瞠目した。手元の奧付を捲ると2010年4月20日初版第1刷発行とある。この周辺のくだりは多くの示唆に富んだものですが、敢えてこれ以上レヴューでは觸れません。是非手にとって禦一読を願いたい。「法育」の一冊目と、はしがきにあるので、各論版も是非期待したいです。
發表於2024-11-27
刑法學講話〔総論〕 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 行為反價值論 船山泰範 刑法學
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