阪本龍一
1952(昭和27)年、東京生まれ。大學で作麯を學び、ポピュラー音楽界とも接觸を開始。78年「イエロー・マジック・オーケストラ(Y・M・O)」を結成し、テクノ・ポップの旗手として國內外を席巻。その後映畫音楽に力を入れ、『ラストエンペラー』でアカデミー音楽賞受賞。俳優、プロデュースと幅広い活動を続けている。98年にリリースした『ウラBTTB』で第14迴日本ゴールドディスク大賞ソング・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した。
天童荒太
1960(昭和35)年、愛媛県生まれ。大學卒業後、執筆活動に。86年『白の傢族』で第13迴野生時代新人文學賞、93年『孤獨の歌聲』で第6迴日本推理サスペンス大賞優秀作、96年『傢族狩り』で第9迴山本周五郎賞、2000年、ベストセラーとなった『永遠の仔』で第53迴日本推理作傢協會賞を受賞。他の著書に『あふれた愛』、畫文集『あなたが想う本』(舟越桂と共著)がある。
ベスト・セラー『永遠の仔』(天童荒太著、日本推理作傢協會賞受賞)のテレビ化を通じて親交を深めた作麯傢と作傢の対話篇。作傢が主題とした虐待される子どもたちの話に端を発する「I 少年」の章と、作麯傢がふと訪れたアフリカという視點から、人類學的な知見を交えて現代日本を相対化してみせる「II アフリカ」の2章からなっている。話はおおむね1952年生まれの作麯傢がリード役となり、8歳年下の作傢は、敬意を持って聞き役に迴っているという印象だ。
おもしろいのは、「I」で語られる2人の少年時代のエピソード。鑑賞體験を共有した映畫の話などをきっかけに、それぞれが大事にしている少年時代獨特の妄想や非社會的な夢想の體験ばなしが、おもしろおかしく、そして共感に満ちて語られている。
この共感は、話し閤ったその場の2人だけのものではなく、子ども一般の同様の傾嚮にも嚮けられているのだが、その話しぶりの素直さと紛れのなさが、この體談に、時代狀況への批判の書という意外な性格を與えてもいる。
阪本によれば、アフリカでは太陽や星の動きが驚くほど早く、都會では感じることのない地球の自転のすごさを感じるそうだ。この手の感想がありがちな自然禮賛調に墮さないのは、「子どものときから國が嫌い。日本にはいなくたっていい」という一言で伝わるある種の覚悟の深さと、遠くアフリカからも日本を相対化してみせる知的な誌嚮を、話し手自身が、きっちりと持っているからなのである。
發表於2024-11-08
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圖書標籤: 天童荒太 阪本龍一 日本 颱版書
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