发表于2024-11-07
東アジア交流史のなかの遣唐使 2024 pdf epub mobi 电子书
图书标签: 遣唐使 河內春人 唐史 历史
遣唐使はもっとも人口に膾炙されたテーマのひとつである。しかし、そこで語られる内容は日唐間にお ける外交交渉の過程としての政治史であり、あるいは正倉院宝物等の文物に代表されるような文化史がほとんどである。遣唐使は往来の具体的様相として捉えられ、遣唐使を通して東アジアや、惹いてはシルク
ロードにおいて人やモノの行き交うその動態に注目が集まってきたといえる。それは換言すれば、遣唐使というフィルターを通した政治史・文化史の研究であった。現段階での遣唐使研究は個別の派遣やテーマについては成果を挙げているが、それを整理・統合して遣唐使全体のなかで問題点の所在を明確にする必要がある。遣唐使の全貌を明らかにするためには、外交史的な視角だけではなく、遣唐使がどのような全体像を有し、いかなる時代的変遷を経たのか、さらにはその政治的・経済的・文化的・社会的背景に何があったのか、日本古代史や唐代史と関連づけてそれらの課題を追究する必要があるといえる。そして何よりも、歴史学という立場においては遣唐使に関わる諸史料の評価を定めていかなければならない。これまでの遣唐使研究には一種の制約があった。それは、先述のように研究が基本的には日本史の範疇において対外関係史の一環として進められてきたことである。そのため「遣唐使」といえば日本が派遣した外交使節とする暗黙の了解がある。しかし、それは決して自明ではない。そもそも遣唐使というネーミングは日本に限られるものではなく、諸外国が唐に使節を派遣すればそれは須く遣唐使のはずである。しかし、そうした世界史的視野を有するテーマであるにも関わらず、日本に限られてしまうことによって本来遣唐使というテーマが持つべき多様性が損なわれている。そしてそのような視線の根源にあるのは、日本史という一国史的観点に基づいて世界を把握しようとする視野狭窄である。しかし、遣唐使が外交使節である以上そこには複数の視線が交錯するのであり、一国史的な観点のみで語られるべきではない。日本の遣唐使と諸国の遣唐使の比較は、世界史の構築にとって有効であることは疑いない。また、遣唐使というフィル
ターを通して、日本から見た唐と唐から見た日本という双方向的な視点が確保されるのであり、さらにはそれ以外の諸国との関係も視野に収めて、それが日唐関係にいかに反映したのかという多角的・複合的な分析視角を有することが可能となる。そこで本書では、日本の対外関係史を構成要素の一つとする、東アジアあるいはそれよりも広域的な世界という国際関係のなかにおける遣唐使という視角を検討のバックグラウンドとして設定する。
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