総論 灌頂とは何か
一 灌頂とは
二 王権儀禮
三 灌頂の地域的変容と世俗化
四 さまざまな課題
第一部 インド
古代インドのヴェーダ文獻にみられる灌頂
はじめに
一 ヤジュル・ヴェーダの即位灌頂
二 アタルヴァ・ヴェーダの即位灌頂
三 リグ・ヴェーダの即位灌頂
四 即位式以外の灌頂
五 グリヒア儀禮の灌頂
おわりに
大乗経典における授記と灌頂
はじめに
一 大乗経典における授記
二 大乗経典における灌頂
三 なぜ大乗経典に灌頂儀禮が説かれないのか
おわりに
インド密教における灌頂の展開
はじめに
一 『大日経』が説く灌頂
二 『真実摂経』が説く灌頂
三 後期密教の灌頂 『ヴァジュラーヴァリー』が説く灌頂
おわりに
ヒンドゥー教タントリズムにおける灌頂 聖典シヴァ派の例から
はじめに
一 聖典シヴァ派の灌頂
二 導師灌頂
三 成就者灌頂
四 聖典シヴァ派における灌頂の特質
おわりに
ヴィシュヌ教の灌頂儀禮
はじめに
一 四種の誌願者
二 入門儀禮と灌頂儀禮
三 灌頂儀禮次第
おわりに
第二部 チベット・ネパール
チベットの密教の灌頂の構造 ゲルク派の場閤
はじめに
一 密教と波羅密乗の成仏観 三卻成仏と即身成仏
二 色身の本尊瑜伽と灌頂
三 般若智の灌頂の役割と法身の本尊瑜伽観想について
おわりに
灌頂 ネパール仏教徒はどのようにして仏になるか
はじめに
一 仏はどのようにして容器に入るか
二 內外の逆転はどのようにして起こるか
三 容器としての身體はどのようにして獲得されるか
四 死と再生の體験
五 中有をどのように理解するか
六 容器となる身體のバリエーション
七 ネパール仏教における灌頂の現在と未來
おわりに
第三部 中國・東南アジア
唐代の灌頂 とくに密教宣布の手段としての灌頂儀禮について
はじめに
一 中國での灌頂の始まりとその役割
二 灌頂と朝廷
三 灌頂の意義とその授受の効用
四 不空三蔵以後の灌頂
おわりに
禪観経典にみられる灌頂のイメージについて
はじめに
一 禪観中の灌頂
二 灌仏
三 「離欲の快感」
四 光明のイメージ
五 浄化(滅罪)のイメージ
六 インド密教における灌頂
七 仏教以外のインド宗教文獻にみられるイメージ
八 醫學的文脈での灌頂
おわりに
アンコール王朝における灌頂儀禮
はじめに
一 灌頂儀禮
二 王たちの諡號
三 典拠となった教典
四 王妃の灌頂
おわりに
第四部 日本
空海の伝えた灌頂
はじめに 問題の所在
一 空海の入唐と灌頂受法
二 空海が授けた灌頂(一) 高雄の灌頂
三 空海が授けた灌頂(二) 平城上皇への灌頂
おわりに
日本中世における灌頂・修法空間の展開
はじめに
一 現存する建築にみる本尊と両界曼荼羅の併置の実態
二 文獻史料にみる本尊と両界曼荼羅を併置する仏堂
三 中世真言密教における本尊と両界曼荼羅を併置する仏堂の広がり
四 両界曼荼羅と法會
五 中世真言密教における大伝法院本堂の意義
おわりに
中世日本の即位灌頂と文化相伝の係譜
はじめに
一 仏教的世界観と灌頂
二 即位灌頂にみる仏教的世界観
三 文化相伝にみる灌頂の仏教的世界観
おわりに
立山山麓蘆峅寺の布橋大灌頂 日本の民間信仰にみる「灌頂」儀禮
はじめに
一 境界・滅罪裝置としての布橋
二 蘆峅寺の姥尊信仰と布橋大姥
三 布橋儀式に対する呼稱の変遷
四 布橋儀式の內容の変遷
五 江戸時代後期の文獻史料にみる布橋大灌頂
六 擬死再生儀禮としての布橋大灌頂
七 布橋大灌頂と血盆経信仰
八 立山信仰にみる「水」の信仰
おわりに
灌頂と真言八祖畫像
はじめに
一 代錶的な作例とその特色
二 真言八祖の転寫の具體例 室生寺本
三 八祖畫像の空海畫像 讃文
おわりに
灌頂年錶
あとがき
執筆者一覧
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收起)