序 章 近代アジア市場の中の朝鮮開港 —— 華商からのアプローチ
第Ⅰ部 朝鮮開港と華商ネットワークの延伸
第1章 開港場をめぐる移動と製度の相剋
—— 釜山日本居留地における華人居住問題
1 釜山開港と日本居留地の設置
2 徳興號事件と清國居留地の成立
3 日本側の対応 —— 各國居留地案を中心に
第2章 在朝日本人商人と華商からの 「自立」
—— 海産物の対中國輸齣をめぐって
1 朝鮮開港直後の俵物海産物 (1876~80年代前半)
2 日本人通漁と生産・流通構造の変化 (1880年代半ば~)
3 釜山日本人商人による直輸齣活動
4 日清戦爭後における生産・流通構造
第3章 伝統的陸路貿易の連続と再編
—— 1880年代の紅蔘輸齣と華商
1 招商局藉款と裕増祥手形
2 開港期の紅蔘管理體製と 「國王の紅蔘」
3 陸路國境貿易における変化と商人の対応
第4章 華商の対朝鮮人取引と紛爭処理
—— ソウルにおける訴訟事例から
1 史料の性格 —— 駐韓使館保存檔案について
2 ソウルにおける訴訟手続きの概要
3 華商・朝鮮人商人間の取引形態
4 紛爭の契機とその処理
第Ⅱ部 朝鮮華商の貿易と多角的ネットワーク
—— 広東商號同順泰の事例分析
第5章 同順泰の創設とネットワーク形成
1 譚傑生の朝鮮渡航と同順泰の設立
2 譚傑生をめぐる人脈と同順泰の取引関係、組織
3 設立當初の朝鮮人商人との関係
第6章 同順泰の対上海貿易と決済システム —— 日清戦爭前を中心に
1 同順泰の輸入貿易 —— 発送計算書から
2 同順泰の輸齣貿易 —— 売上計算書から
3 同泰號・同順泰間の決済と貸藉関係
4 華商間競爭におけるネットワークの機能
第7章 同順泰の內地通商活動とその背景
1 內地への店員派遣と輸齣品の買い付け
2 経営における輸齣品買い付けの意義
3 朝鮮の在來商業體製と內地通商
第8章 深化する日朝関係への対応 —— 日清戦爭後の同順泰
1 日清戦爭への対応と模索
2 日清戦後の貿易活動
3 內地通商の展開と米の買い付け
4 同順泰の上海送金と日朝関係
補 論 同順泰文書について
1 『同泰來信』 について
2 『同順泰往復文書』 について
3 『進口各貨艙口単』 『甲午年各準來貨置本単』 『乙未來貨置本』 『同順泰寶號記』
について
第Ⅲ部 帝國への包摂・帝國からの漏齣
—— 日露通貨の広域流通と華商
第9章 近代アジア市場の中の朝鮮地方経済
—— ルーブル紙幣の広域流通を通じて
1 鹹鏡地方の地理條件と対ロシア関係
2 ルーブル紙幣の流入と元山華商
3 満洲におけるルーブル紙幣の流通
4 露清銀行によるルーブル紙幣の買い取り
5 地方経済の中のルーブル紙幣
6 朝鮮の植民地化とルーブル紙幣の終焉
第10章 日本の満洲通貨政策の形成と対上海関係
—— 日露戦爭軍票の流通実態
1 日露戦爭軍票の製度的概観
2 満洲での軍票散布と営口への集中
3 軍票による上海送金と金銀関係
4 上海嚮け為替取組の開始
5 軍票をめぐる広域的投機と朝鮮
6 軍票政策の終局 —— 中國本土への流齣容認と金円リンク放棄
第11章 植民地化前後の朝鮮華商と上海送金
—— 朝鮮銀行券の循環に與えた影響
1 日露戦爭後の華人社會と華商
2 対中國貿易と華商の取引・決済方法
3 辛亥革命への朝鮮華商の対応
4 朝鮮の流通・金融に及ぼした影響
第12章 1910年代の間島における通貨流通システム
—— 朝鮮銀行券の満洲散布と地方経済の論理
1 第一次大戦前の間島における通貨流通
2 第一次大戦期の朝鮮銀行券流入と地域経済
終 章 朝鮮開港期の歴史的位相 —— 華商ネットワークが作る 「地域」
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收起)