高知県香美郡土佐山田町(現香美市)に歯科医の長女として生まれる。私立土佐高等学校を経て、日本女子衛生短期大学を卒業、歯科衛生士国家試験に合格する。その後、明治大学文学部に入学して斎藤正直の指導を受け、卒業論文ではサルトルの『存在と無』をとりあげた。卒業後は同大学大学院に進学し、大学院在学中の1960年、『明治大学新聞』に小説『パルタイ』を発表し、平野謙が『毎日新聞』文芸時評欄でとりあげて注目される。『パルタイ』は、『文学界』に転載され芥川賞の候補となった。同年、短編集『パルタイ』を上梓し、翌年、女流文学者賞を受賞。1963年田村俊子賞受賞。「第三の新人」以後の新世代作家として石原慎太郎、開高健、大江健三郎らと並び称せられ、特に作風や学生時代にデビューしたという共通点のある大江とは比較される事が多かった。
その後、当時NHKプロデューサーの熊谷冨裕と結婚、二女を設け家事に専念。そのため執筆活動から遠ざかっていたが、1970年代後半から再開。1983年泉鏡花文学賞受賞。1984年の『大人のための残酷童話』はロングセラーとなった。晩年は体調を崩したこともあって、長編小説の執筆は行われなかった。
また、歴史的仮名遣いで自分の著作を書く数少ない一人であった。シェル・シルヴァスタイン『ぼくを探しに』、サン=テグジュペリ「星の王子さま」など児童文学の翻訳も多く手がけた。
2005年6月10日、拡張型心筋症により69歳で没した。難病であるが、生前、家族には手術などの延命治療を拒否する宣言をしていたと言われる。遺作は『新訳 星の王子さま』。没後の2006年、母校の明治大学より特別功労賞が授与され、同大学において回顧展が開催された。
发表于2024-12-23
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そこは悪夢の島か、はたまたユートピアか。スミヤキ党員Qが工作のために潜り込んだ孤島の感化院の実態は、じつに常軌を逸したものだった。グロテスクな院長やドクトルに抗して、Qのドン・キホーテ的奮闘が始まる。乾いた風刺と奔放な比喩を駆使して、非日常の世界から日常の非条理を照射する。怖ろしくも愉しい長編小説。
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