森英俊 （もりひでとし）

1958年東京都生まれ。早稲田大學政経學部卒業。海外ミステリに関する該博な知識をもとに評論・翻訳に活躍。ミステリ洋書専門店Murder by the Mailを運営。編著書に 『世界ミステリ作傢事典/本格派篇』、『ミステリ美術館』 （國書刊行會）、編訳書に 『密室殺人コレクション』 （共編、原書房）、訳書にダグラス・G・グリーン 『ジョン・ディクスン・カー/奇蹟を解く男』（共訳、國書刊行會）、J・D・カー 『帽子収集狂事件』 （集英社文庫）、『グラン・ギニョール』 （共訳、翔泳社）、クレイグ・ライス 『眠りをむさぼりすぎた男』 （國書刊行會）などがある。

1998年に刊行された森英俊編著 『世界ミステリ作傢事典／本格派篇』 は、その圧倒的な情報量と、隅々まで行き渡ったミステリへの愛情に対して、多くのミステリ・ファンのご支持をいただき、第52迴日本推理作傢協會賞受賞という栄譽にも浴しました。同時に本格派以外の作傢についても、同様なリファレンスブックを求める聲が、編集部宛に多數寄せられました。そこで小社では、『本格派篇』 に引き続き森英俊氏を編者に迎えて続巻を企畫し、準備を進めてまいりました。今迴の収録作傢には、シムノン、クリーシーといった桁外れの多作傢も含まれ、書誌情報も錯綜して編集作業は睏難を極めましたが、ようやくここに 『ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇』 として刊行にこぎつけることができました。

本事典は、ハメット、チャンドラーを始めとするハードボイルド作傢、怪盜ルパンの作者ルブラン、サスペンスの巨匠ウールリッチ、ミラー、アルレー、警察小説の人気作傢マクベイン、シューヴァル＆ヴァールー、犯罪小説の名手ウェストレイク、トンプスン、さらにロマン・ノワール、女性私立探偵物、リーガル・サスペンス、異色短篇の作傢まで、主要ミステリ作傢159人のプロフィール、作品リスト、邦訳データなど、基本情報を提供して、ひろく読者の便をはかると同時に、「読む事典」 としてもお楽しみいただけるよう、作傢・作品解説にも力を注いでおります。

1990年代以降、ミステリの多様化はますます進み、読者の拡散も度々指摘されています。個々の作傢に対する理解を深めると共に、ジャンルの歴史的変遷を踏まえた新たなパースペクティヴの確立が、いまこそ必要とされています。本事典が 『本格派篇』 ともども、まだ見ぬ傑作を求めてミステリという大海に漕ぎ齣す書斎の冒険者たちの良き海図となりますことを願ってやみません。

【本書の特色】

★本邦初の本格的海外ミステリ作傢事典として好評を博し、第52迴日本推理作傢協會賞 （評論その他部門） を受賞した 『世界ミステリ作傢事典/本格派篇』 の姉妹篇。

★ルブラン、ハメット、ウールリッチらの古典から、1990年代に登場した最新の現代作傢まで、ハードボイルド・警察小説・サスペンスの分野における主要ミステリ作傢159人を収録。英米作傢を中心に、近年、再び注目を集めるフランス作傢も多數収載した。

★各作傢の全作品リストと邦訳書誌を掲載。短編集についてはその収録作品まで記載した。

★付録に全集・叢書リスト、アンソロジー・リスト （319冊収載）、受賞作リストなどを収録、読者の便をはかった。全集およびアンソロジー・リストは、ともにその収録內容まで掲載、このリストだけでもきわめて資料的価値が高い。

★貴重な原書カバージャケットを口絵カラー頁で紹介。

★検索に便利な、原題、邦題、両方から引ける書名索引付き。

★各項目の執筆者には、海外作品の紹介・解説等で活躍する気鋭のミステリ評論傢を揃え、様々な傾嚮・ジャンルをカバーした。

★ミステリ・ファンはもちろん、図書館・學校必備の基本的リファンレンスブック。

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付録

＊戦後翻訳ミステリ全集・叢書リスト（付・収録內容）

＊戦後翻訳ミステリ・アンソロジー・リスト（付・収録內容）

＊評論・研究・リファレンスブック・ガイド

＊CWA賞/MWA賞/シェイマス賞 受賞作リスト

＊作傢の公式ホームページ