【本書より】『令義解』全十巻三十篇は、養老令の條文に対する官撰の注釈書で、官撰ゆえ、令に準じる法的効力を有していた。この書は、明法博士額田今足の上申により、清原夏野・讃岐永直・菅原清公らが編纂したもので、天長十年(八三三)に完成し、承和元年(八三四)十二月十八日に施行された。その內容については、『令集解』からの復元による七篇もふくめて、今日その大部分を知ることが可能であり、これまで日本古代史や法製史の研究者に利用されてきた。
本書は、この『令義解』を対象とする、複數の研究成果を活字化したものである。いずれも、研究史上きわめて重要でありながら、ながらくひとびとの目にふれることのなかったものを取り上げている。題して『令義解の受容と研究』という。具體的には、戦時中舊神宮皇學館大學でおこなわれた令の共同研究の記録である『令共同研究會記録』・壺井義知著『令義解序錶官符詔書解』・同『令義解序抄』を翻刻・紹介している。
『令義解』については、清原夏野自身による序をはじめとして、やはり清原夏野の筆にかかる天長十年(八三三)十二月十五日の「上令義解錶」、天長三年(八二六)十月五日の「応撰定令律問答私記事」と題する太政官符、承和元年(八三四)十二月十八日の『令義解』施行の詔、といった史料が殘されており、これによって、編者や編纂の経緯をかなり詳細にうかがうことが可能である。上記の本書所収の諸資料は、おもにこれらの史料を対象とした研究で(『令共同研究會記録』は官位令まで及ぶ)、その內容は今日でもなお命脈を保っていると思われる。
本書は、これまでその全貌が不明であった、神宮皇學館大學でおこなわれた令の共同研究速記録『令共同研究會記録』全十二迴分ほか、律令研究に欠くことのできない資料を提供するものである。
發表於2024-12-25
令義解の受容と研究 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 東國英華
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