作者簡介
桐野夏生
桐野夏生(Natsuo Kirino)
1951年 生於日本石川縣金澤市。
1993年《濡濕面頰的雨》獲得第39屆江戶川亂步獎、為日本女性冷硬派小說之濫觴。
1998年《OUT》獲得第51屆日本推理作家協會獎。
1999年《柔嫩的臉頰》獲得第121屆直木獎。
2003年《異常》獲得第31屆泉鏡花文學獎。
2004年《殘虐記》獲得第17屆柴田鍊三郎獎。《OUT》入圍美國愛倫坡獎最佳小說獎。
2005年《燃燒的靈魂》獲得第5屆婦人公論文藝獎。
2008年《東京島》獲得第44屆谷崎潤一郎獎。
2009年《女神記》獲得第19屆紫式部文學獎。
2010年《有什麼》獲得第17屆島清戀愛文學獎。
2011年《有什麼》獲得第62屆讀賣文學獎。
其他尚有《玉蘭》、《真實世界》、《對不起,媽媽!》、《IN》、《好心的大人》等作品。
相關著作:《IN格殺愛情》《OUT主婦殺人事件》《好心的大人》《東京島》《異常》《走向荒野》
譯者簡介
詹慕如
自由口筆譯工作者。譯作多數為文學小說、人文作品,並從事各領域之同步、逐步口譯。
臉書專頁:譯窩豐 www.facebook.com/interjptw
发表于2024-12-29
猿の見る夢 2024 pdf epub mobi 电子书
图书标签: 桐野夏生
人間模様が鳥獣戯画のように見えてくる
「読んだ?」「読んだ、読んだ、バカだよね」「バカ、クズ。基本、上から目線だしさ」「ほんと、男ってああいうところあるよね。幾つになっても自分が女を選ぶ側だと思ってんの」
この本を読んだ女友達と会うなり、こんな調子ではじまった。私たちはしばらく物語の主人公である薄井という男の愚かさを指摘し、その転落ぶりを笑った。あたかも、この本にでてくる辛辣な女たちのように。
薄井は六十歳を手前にした元大手銀行員。現在は一部上場した企業に出向しており、ひとまわり下の愛人もいて、余裕のある暮らしぶりをしている。社内でのささやかな野心もあり、長男夫婦と都内に二世帯住宅をもうける計画をたてている。性的な自信もまだ維持している。薄井はほどほどに恵まれている。その恵みを一滴もこぼすことなく老後を迎えられると信じている。そこに長峰という夢で宣託をする女が現れ、会社と家庭の両方の雲行きが怪しくなっていく。
薄井ははっきり言って鼻につく男だ。小心者でコロコロと寝返るくせに、自分より弱い者の前では大きくでて、思い通りにいかないと腹をたてる。十年来の愛人に「女房は既得権があるから」などと言う。それに女たちが腹をたてる理由を理解できない鈍感さがあるのに、自分は賢いと思っている。その薄井の目論見が面白いように崩れていく。薄井の周りの女たちの容赦のなさも痛快だ。ページをめくるのが止まらなくなり、自分は他人の不幸が大好きなのだと気付かされる。
七つの章にはそれぞれ動物絡みの題名がついている。そのせいか、人間模様が鳥獣戯画のように見えてくる。猿が蛙を祀るがごとく、薄井の妻は長峰という怪しい夢占い師に傾倒し、薄井も巻き込まれていく。この長峰が不気味だ。なんでも夢で言い当て、他人の人生に侵食してくる。
読み終えた時、長峰は人の罪悪感を操っているのではないかと思った。でてくる登場人物はみんな少なからず後ろ暗いものを抱えている。その報いを恐れながら生きている。だから、長峰の言葉に惑わされる。
動物好きな私が唯一嫌いな生き物は猿だ。人間が理性で隠している欲や汚さが剥きだしになった獣のように見える。けれど、猿山を眺めていると目が離せなくなる。桐野夏生さんの小説を読むと、いつもこの感覚を思いだす。嫌だと感じるのは、自分の中に似たようなものを見出すからだ。
散々、薄井を罵った後に友人は言った。「でもさ、ここまで愚かだとなんか憎めないんだよね」その言葉にかすかに安堵した。
評者:千早 茜
(週刊文春 2016.10.03掲載)
内容紹介
これまでで一番愛おしい男を描いた――桐野夏生
自分はかなりのクラスに属する人間だ。
大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。
そんな俺の人生の歪(ひず)みは、社長のセクハラ問題と、あの女の出現から始まった――。
還暦、定年、老後――終わらない男”の姿を、現代社会を活写し続ける著者が衝撃的に描き切る!
週刊現代読者の圧倒的支持を得た人気連載が、ついに書籍化!
「見ざる、聞かざる、言わざる、せざる」
评分「見ざる、聞かざる、言わざる、せざる」
评分「見ざる、聞かざる、言わざる、せざる」
评分「見ざる、聞かざる、言わざる、せざる」
评分「見ざる、聞かざる、言わざる、せざる」
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