三橋 順子
中央大学文学部講師。女装家、クラブ・フェイクレディ主宰。「『性』を考える」(河野貴代美編『セクシュアリティをめぐって』所収、新水社)ほか
松本 郁子
1970年、東京都生まれ。『宝塚アカデミア11』(共著、青弓社)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
发表于2024-11-23
美輪明宏という生き方 (寺子屋ブックス) 2024 pdf epub mobi 电子书
图书标签: 小說
美輪明宏という人をご存じだろうか。基本的には歌手、本来はシャンソン歌手なのだが、一筋縄ではいかない、あらゆる面でとてもドラマティックな人である。年代によって彼に対する印象はかなり違うかもしれない。美声の美少年としてデビューして、「メケメケ」、「ヨイトマケの唄」でイメージチェンジ、『黒蜥蜴』に代表される個性派女優ぶりや三島由紀夫との親交。さまざまなことを劇的にこなしてきた彼は、近年ついに、「愛と美こそが地球を救う」と世に説くシャーマン的存在と化している。
とにかく何をやらせてもスケールが違う。文化・芸術全般に対する造詣の深さ、舞台・音楽会で見せる細部への筋の通ったこだわり、そして著書に見られる幅広い知識と正確な現状認識、それをかみ砕いて表現する筆力、というより話術に、誰もが思わず引き込まれてしまう。悩める若者たちがそんな人に引きつけられるのも無理はない。音楽会に一度足を運んでみればわかる。恋に狂う者を劇的に歌う激しい歌もあるかと思えば、薄暗い劇場の舞台で世にも麗しい紫の衣装をまとい、ドライアイスの煙の立ち込める中、静かなスポットライトを浴びて「にっっっこり」と微笑む。そんな彼の姿を見れば、渇いた人生に潤いを求めるあなたはすっかり虜になってしまうだろう。現実をすっかり忘れさせてくれるものすごい雰囲気なのだ。そして、ヒナゲシの花で一面埋め尽くされた舞台の中央でやさしく、「菜の花畑に入り日薄れ、見渡す山の端かすみ深し…」と歌いかけてくるのを聞くころには、胸が熱くなって、涙がこぼれそうになる。そういう、有無を言わせぬ迫力と人を慈しむ力を彼はもっているのだ。
そんな美輪明宏を17人の人物があらゆる角度から分析したのが本書である。けっこう、難解である。おせっかいかもしれないが、初心者はやはり彼の歌、それが無理ならその著書、『人生ノート』もしくは『天声美語』から読んでみることをお勧めする。(家永光恵)
1950年代、紫の衣装に身を包んだ美少年が、突如として銀座に出現する。美貌と美声で観客を魅了し、マスメディアを騒然とさせた。あの人は、誰?男性? 女性?当時、その強烈にして異質な輝きをまっすぐ受け止めることができる人は、まだ多くなかった。恋に狂う者を劇的に、子を想う母をしみじみと、あるいは心やすらぐ唱歌を丁寧に、みごとに歌い上げる美輪明宏は、しかし歌手というにはあまりに広い活躍の場をもっている。芸術家のミューズであり、悩める者のシャーマンであり、希有な舞台人にして、現代の美的貧困を嘆き励ます文筆家―。時代がようやく追いつきはじめたいま、美輪明宏という存在を多角的に照らし出し、その世界と生き方の神髄に迫る。
美輪明宏という生き方 (寺子屋ブックス) 2024 pdf epub mobi 电子书