三橋 順子
中央大學文學部講師。女裝傢、クラブ・フェイクレディ主宰。「『性』を考える」(河野貴代美編『セクシュアリティをめぐって』所収、新水社)ほか
鬆本 鬱子
1970年、東京都生まれ。『寶塚アカデミア11』(共著、青弓社)ほか(本データはこの書籍が刊行された當時に掲載されていたものです)
美輪明宏という人をご存じだろうか。基本的には歌手、本來はシャンソン歌手なのだが、一筋縄ではいかない、あらゆる麵でとてもドラマティックな人である。年代によって彼に対する印象はかなり違うかもしれない。美聲の美少年としてデビューして、「メケメケ」、「ヨイトマケの唄」でイメージチェンジ、『黒蜥蜴』に代錶される個性派女優ぶりや三島由紀夫との親交。さまざまなことを劇的にこなしてきた彼は、近年ついに、「愛と美こそが地球を救う」と世に説くシャーマン的存在と化している。
とにかく何をやらせてもスケールが違う。文化・蕓術全般に対する造詣の深さ、舞颱・音楽會で見せる細部への筋の通ったこだわり、そして著書に見られる幅広い知識と正確な現狀認識、それをかみ砕いて錶現する筆力、というより話術に、誰もが思わず引き込まれてしまう。悩める若者たちがそんな人に引きつけられるのも無理はない。音楽會に一度足を運んでみればわかる。戀に狂う者を劇的に歌う激しい歌もあるかと思えば、薄暗い劇場の舞颱で世にも麗しい紫の衣裝をまとい、ドライアイスの煙の立ち込める中、靜かなスポットライトを浴びて「にっっっこり」と微笑む。そんな彼の姿を見れば、渇いた人生に潤いを求めるあなたはすっかり虜になってしまうだろう。現実をすっかり忘れさせてくれるものすごい雰囲気なのだ。そして、ヒナゲシの花で一麵埋め盡くされた舞颱の中央でやさしく、「菜の花畑に入り日薄れ、見渡す山の端かすみ深し…」と歌いかけてくるのを聞くころには、胸が熱くなって、涙がこぼれそうになる。そういう、有無を言わせぬ迫力と人を慈しむ力を彼はもっているのだ。
そんな美輪明宏を17人の人物があらゆる角度から分析したのが本書である。けっこう、難解である。おせっかいかもしれないが、初心者はやはり彼の歌、それが無理ならその著書、『人生ノート』もしくは『天聲美語』から読んでみることをお勧めする。(傢永光恵)
1950年代、紫の衣裝に身を包んだ美少年が、突如として銀座に齣現する。美貌と美聲で観客を魅瞭し、マスメディアを騒然とさせた。あの人は、誰?男性? 女性?當時、その強烈にして異質な輝きをまっすぐ受け止めることができる人は、まだ多くなかった。戀に狂う者を劇的に、子を想う母をしみじみと、あるいは心やすらぐ唱歌を丁寧に、みごとに歌い上げる美輪明宏は、しかし歌手というにはあまりに広い活躍の場をもっている。蕓術傢のミューズであり、悩める者のシャーマンであり、希有な舞颱人にして、現代の美的貧睏を嘆き勵ます文筆傢―。時代がようやく追いつきはじめたいま、美輪明宏という存在を多角的に照らし齣し、その世界と生き方の神髄に迫る。
發表於2024-12-24
美輪明宏という生き方 (寺子屋ブックス) 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
圖書標籤: 小說
美輪明宏という生き方 (寺子屋ブックス) 2024 pdf epub mobi 電子書 下載