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【本書より】(抜粋)
世界歴史地図を繰って眺めていくと、ユーラシア大陸の両端における王朝(国家)の統合と分裂の周期がある時期までほぼ同じであることに気づく。しかし、ある時期を過ぎると、大陸西端のヨーロッパは分裂のまま各国の権力均衡へと向かうが、一方の大陸東端に位置する中国の王朝変遷は前代の王朝の領域を受け継ぎ、統一王朝が連続するようになる。中国側について更に言えば、十世紀に成立した宋王朝以前には統一王朝が滅び再統合されるまでの間に分裂時期が長く存在したが、宋以後には王朝滅亡後の混乱・分裂時期は極めて短くなる。そして、現在の中華人民共和国の領土が清朝の版図をほぼそのまま引き継いでいることも、その延長上に解釈できるかもしれない。
広大な中国がなぜ分裂せず一つに統合されてきたのか。この問いへの手がかりとして、本書は上述した潮流の端緒となった宋代の統治に注目する。宋朝前後における統治や統治の対象となる社会の変化については、周知の如く、唐宋変革論が提唱されて以来現在に至るまで数多くの分野において議論されており、またその中から「両宋画期」論や「宋元明変遷」論等の学説が生まれてもいる。このように様々な角度からの考察が進められている中で、本書が何を具体的に考察し新知見を得るのかを、まずは中国史上における宋代統治の位置を考えることから探っていくことにする。
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