序
第一節 前史と視角 有司専制と天皇親政―－明治初期政治の振幅
第一項 維新政権の本質
第二項 有司専制批判の深刻
第三項 天皇親政の冀求
第四項 視 角－－正統政権化の切実と方策と困難
第二節 課題の提示、方法の特色、結論の予示
第一項 課題の提示
第二項 方法の特色
第三項 結論の予示
第一章 欽定憲法構想の生成とその貫徹
第一節 欽定憲法構想の生成
第一項 欽定語義小考
第二項 欽定の変遷（一）－－「大隈重信意見書」批判としての「欽定憲法考」
（一） 事件の発端
（二） 井上毅の登場
（三） 「欽定憲法考」の再定位（一）
（四） 岩倉具視の離脱と伊藤博文の登場
（五） 「欽定憲法考」の再定位（二）
第三項 欽定の変遷（二）－－大隈下野と民議放棄
（一） 明治十四年政変と大隈下野
（二） 民議放棄と欽定憲法構想の生成
第二節 欽定憲法構想の貫徹（一）－－宮内卿兼制度取調局長官就任の必然性
第一項 憲法調査、伊藤博文の雄図
第二項 岩倉具視による憲法調査機関の新設
第三項 宮内卿兼制度取調局長官就任と岩倉憲法調査機関の廃止
（一） 元田永孚との連携
（二） 伊藤博文の欽定憲法構想
第四項 図書頭専従、井上毅の落魄
第三節 欽定憲法構想の貫徹（二）－－内閣制度創設の必然性
第一項 太政官政府廃止の必要性
（一） 太政官政府における宮内卿兼制度取調局長官の限界
（二） 有栖川宮排除としての太政官政府廃止
（三） 参謀本部長後任問題と有栖川宮処遇問題の連関
（四） 右大臣補任論にかんする小考察
第二項 内閣制度と公文式の必然性
（一） 裁可し公布する天皇
（二） 明治天皇の成人
第四節 内閣総理大臣兼宮内大臣の権限と限界
第一項 内閣総理大臣兼宮内大臣の権限
（一） 「宮中府中の別」論による分析の陥穽
（二） 内閣総理大臣の地位－－大宰相の要諦
（三） 各省大臣の地位と権限－－総理大臣および国務大臣との差違について
（四） 宮内大臣兼任の意味－－「機務六条」と天皇の政治資源化
第二項 内閣職権の盲点
（一） ふたつの内閣構想――井上毅の単独責任論と伊藤博文の連帯責任論
（二） 責任のたえられない重さ
第二章 明治二十年の政治危機
第一節 反伊藤諸派の停滞
第一項 黒田清隆の沈黙
第二項 元老院尾崎派の低迷
第三項 民権派の迷走
（一） 『自由党史』にたいする若干の留保
（二） 大同団結運動の低迷、板垣擁立にいたる経緯
（三） 板垣辞爵問題と運動分裂
第二節 伊藤政権の蹌踉
第一項 「ボアソナード意見書」の衝撃――井上毅の再登場
第二項 「谷干城意見書」の衝撃――内閣職権下での連帯責任論の蹉跌
第三項 宮府一元支配の終焉
第三節 反伊藤諸派の振起
第一項 「ロエスレル憲法草案」漏洩と井上毅
第二項 元老院憲法制定議会化の動向
第三項 民権派の動向－－運動分裂と再編の様相
（一） 星亨の後藤擁立、秘密出版活動
（二） 板垣退助の上奏、土佐派の汚名返上画策
（三） 星と板垣の和解、その実相
第四節 伊藤博文の反転攻勢
第一項 伊藤の反攻（一）－－夏島草案における自己正当化
（一） 夏島草案作成日程と政局の関係
（二） 内閣条項一 夏島草案第七十条
（三） 内閣条項二 夏島草案第七十一条
（四） 大臣責任条項 夏島草案第七十三条
（五） 天皇大権条項 夏島草案第十七条
第二項 伊藤の反攻（二）臨御再開――夏島草案試験運用
（一） 九月二十日定例閣議と臨御再開
（二） 強硬路線への転換と黒田清隆への牽制
（三） 夏島草案試験運用
第三項 伊藤の反攻（三）－－地方長官会議における総理大臣訓示
（一） 訓示の政治的意味
（二） 訓示の論敵－－「板垣退助封事」
（三） 訓示の内容、その得失
第五節 伊藤政権の顛蹶
第一項 強硬策の小成
（一） 井上毅の批判と十月草案の作成
（二） 元老院憲法制定議会化論の封殺
（三） 土佐派の三大事件建白運動
第二項 民権派の吶喊
（一） 星派の総理大臣訓示批判、その徹底
（二） 連帯責任論の構築工程
（三） 明治十九年の不覚
（四） 「谷干城意見書」、「ボアソナード意見書」の衝撃、第二波
（五） 星派の急追
第三項 元老院憲法制定議会化論の再燃
第四項 伊藤博文の十二月二十六日――明治二十年の政治危機、その帰結
第三章 明治憲法第四章の成立
第一節 伊藤退陣と明治憲法第四章――枢密院と内閣制度
第一項 新しい行動準則と二月草案
（一） 辞職原因の粉飾
（二） 欽定憲法構想の変更と枢密院創設
（三） 二月草案における譲歩
第二項 枢密院の創設
（一） 官制成立過程の攻防
（二） 枢密顧問人選にみる宥和策
（三） 皇室典範作成過程への再参入
第三項 『憲法義解』の成立
（一） 輔弼と責任の分離
（二） 第五十五条義解における責任
（三） 第五十五条義解における輔弼
（四） 術語の整理
（五） 責任論の混乱
（六） 輔弼論の不在とその補償
第二節 欽定憲法の完成
第一項 欽定の演出
（一） 意匠の彫琢
（二） 意匠の強制
第二項 欽定憲法受容の諸相
（一） 敗者の弁の欠落
（二） 忍従の心理と論理
（三） 受容言説の概要
（四） 慶祝の心理――東京府民の勇肌
（五） 容認の論理――新青年の第二維新
第三項 欽定憲法史観の形成――憲法公が無視されるまで
（一） 立法者の沈黙
（二） 立法者の消滅
（三） 輸贏逆転
第三節 内閣官制制定――明治憲法第四章の完成
第一項 明治二十二年、条約改正交渉の失敗
（一） 黒田と大隈の目的合理性
（二） 井上毅の制勝
（三） 内閣官制作製過程
第二項 内閣官制再評価
（一） 監督義務の解除と総理大臣職の安定化
（二） 閣議制度化、すなわち全体輔弼事項列挙
（三） 単独輔弼の逼塞
第三項 井上毅の敗退
（一） 敗北（一）－－総理大臣職の存続と安定化
（二） 敗北（二）－－全体輔弼の明文化と総辞職の必然
（三） 敗北（三）－－単独輔弼論の台頭と井上毅の内閣官制擁護
結
跋
付録 関連資料
第一章関連年表
明治二十年の政治危機年表
夏島滞在日程概況
明治二十二年政局年表
索引
· · · · · · (
收起)
