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【序章】より(抜粋)
中國の歴史が漢族と北方の騎馬遊牧民との様々な交渉、抗爭の展開であったことは周知の事柄であろう。
そうした交渉、抗爭は極めて古くから存在するが、とくに四世紀以降になると、北方の騎馬遊牧民が強力な騎馬軍によって中原を支配するといった現象が見られるようになる。その結果、漢族は避難先の江南で亡命政権を樹立した。三一八年に成立した東晉、続く宋、斉、梁、陳(以下、南朝とよぶ)はそうした漢族による政権である。東晉南朝史の研究には、歴史學の立場からみたとき主として二つの研究方法が存在する。その一つは貴族製に関する研究であり、貴族の大土地所有、婚姻関係、彼らが纍世官僚となる官吏登用法(九品官人法)、貴族とその社會的基盤とされる宗族、郷黨の関係など、様々な視角から行われた。ただし、こうした研究にも問題點があるように思われる。他方、貴族製はこの時代のすべての現象に関係するものでなく、「貴族製以外に存在する多くの貴族製と無関係な製度や存在と並存するような一製度にすぎない」という考え方も存在する。これが研究方法の二である。しかし、右の視角にも問題がないわけではない。なぜなら貴族製以外の製度や存在が相互に関連せずただ雑多に並存するだけでは、この時代を特徴づける新たな研究は生まれないと考えられるからである。では、こうした研究方法上の問題を剋服するためには、その他に如何なる方法が考えられるであろうか。その問いに対する解答の一つとして、筆者は本書において僑民の土著化という點に注目した。東晉は華北からの避難民によって樹立されたが、こうした避難民は僑民と呼ばれている。
彼らは當初、中原の製度・思想により江南を支配したが、そうした製度・思想は彼らの江南への土著化につれ変化して行く。その結果、僑民の二世、三世の中には祖先の故郷である中原ではなく、自らが生まれ育った江南に親近感を覚える者が生じるようになる。とすれば、このような僑民の土著化とともに、中原ではなく江南に立腳した製度・思想の齣現も想定されるであろう。
本書はかかる問題を軍事體製、天下観といった視角から考察しようとするものである。より具體的に述べれば、東晉王朝の軍事體製、天下観はともに中原の重視という點で僑民の存在と深く関わっていたが、それが土著化とともに如何に変化するのかを明らかにし得れば、右の問題の解明につながるであろう。以下ではこうした問題意識の下、①東晉南朝における軍事體製は如何なるものであり、それはどのように変化したのか、②中原恢復の可能性が低下していくなかで、王朝の天下観には如何なる変化があったのか追求する。伝統文化が中原恢復という軍事目標を掲げた東晉ではほぼ喪失、忘卻されたという、これまでになかった新たな視點から再検討し、それが僑民の土著化、ひいては建康を天下の中心とする考えとともにどのようにして再構築され、南朝をへて後に中國を再統一する隋唐に影響を與えたのかについて論じる。
本書は、かかる軍事體製と天下観の関係如何といった問題を考察し、もって中國古代における伝統の創造が如何になされたのかについてその一端を解明せんとするものである。
發表於2024-12-23
東晉南朝における傳統の創造 2024 pdf epub mobi 電子書 下載
用CASHL藉北大館的讀一過,總體感覺不錯,寫華林園那一章啓發尤大。遺憾的是基本沒用什麼齣土材料,尤其是南京發掘的明堂遺址。 缺點是曆史敘事框架淩駕於史料框架的痕跡太明顯,略缺深度。敘事邏輯基本是東晉末到劉宋初,依賴南渡北人維係的政治社會秩序嚮立足江南的新國傢秩...
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圖書標籤: 日本漢學 魏晉南北朝 戶川貴行 南朝史 魏晉南北朝史 曆史學 中古史 禮學
反思陳寅恪的淵源論,不過作者對禮製史比較外行,論證的可信度不高,翻來覆去就那麼幾條核心史料來迴說,沒有深入全麵的整理。要想駁倒陳寅恪還是不那麼容易的。
評分反思陳寅恪的淵源論,不過作者對禮製史比較外行,論證的可信度不高,翻來覆去就那麼幾條核心史料來迴說,沒有深入全麵的整理。要想駁倒陳寅恪還是不那麼容易的。
評分粗翻,感覺考證功夫不是太足,直接看結論就好。不過還是很有啓發
評分反思陳寅恪的淵源論,不過作者對禮製史比較外行,論證的可信度不高,翻來覆去就那麼幾條核心史料來迴說,沒有深入全麵的整理。要想駁倒陳寅恪還是不那麼容易的。
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