編者紹介
三浦國雄(みうら くにお)
・1941年大阪市生まれ
・中国思想史、東アジア比較文化論
・四川大学文化科技協同創新研発中心教授、大阪市立大学名誉教授
・『易経』(角川書店、1988年)、『不老不死という欲望:中国人の夢と実践』(人文書院、2000年)、 『風水・暦・陰陽師:中国文化の辺縁としての沖縄』(榕樹書林、2005年)、 『「朱子語類」抄』(講談社学術文庫、2008年)、科研報告『術数書の基礎的文献学的研究』([初・続・三編]の主編、2007~2012年)
執筆者紹介(掲載順)
加藤千恵(かとう ちえ)
・1967年愛媛県生まれ
・道教思想史
・立教大学現代心理学部准教授
・『不老不死の身体:道教と「胎」の思想』(大修館書店、2002年)、 「帰土の生命説」(武田時昌編『陰陽五行のサイエンス 思想編』京都大学人文科学研究所、2011年)、「『後漢書』方術伝の構成についての一考察(上)・(中)」(『東京理科大学紀要』[教養編]第41・42号、2009・2010年)
三鬼丈知(みき たけとも)
・1973年大阪府生まれ
・中国医学思想史
・関西学院大学非常勤講師
・銭超塵「傷寒論歴史考」(共訳、『中医臨床』通巻129号、2012年より連載)
垣内智之(かきうち ともゆき)
・1968年和歌山県生まれ
・六朝道教研究
・和歌山大学非常勤講師
・「梁丘子の『黄庭経』解釈をめぐって」(吉川忠夫編『唐代の宗教』朋友書店、2000年)、 「上清経の構成について:経典分析の試み」(『東方宗教』第113号、日本道教学会、2009年)、 「道教における九天説とその周辺」(麥谷邦夫編『三教交渉論叢続編』京都大学人文科学研究所、2011年)
池平紀子(いけひら のりこ)
・1971年大阪府生まれ
・中国三教交渉史、疑経研究
・大阪市立大学非常勤講師
・「『占察善悪業報経』の成立と伝播について」(吉川忠夫編『唐代の宗教』朋友書店、2000年)、「道教と中国撰述経典」(堀池信夫・砂山稔編『道教研究の最先端』大河書房、2006年)、 「スタイン2438に見られる仏教の服餌辟穀法受容について:『太上霊宝五符序』との関係を中心に」(麥谷邦夫編『三教交渉論叢続編』京都大学人文科学研究所、2011年)
白井順(しらい じゅん)
・1974年神奈川県生まれ
・近世東アジア儒学史
・京都府立大学共同研究員、元ソウル大学奎章閣韓国学研究院客員研究員
・『朱子訓蒙絶句』は如何に読まれたか:朱子学の普及と伝播の一側面」(『日本中国学会報』58集、2007年)、「陽明後学と楊応詔:嘉靖年間の理学と『閩南道学源流』の背景」(『東方学』第115輯、2008年)、「東アジアにおける薛瑄『読書録』の刊行と変容」(『日本中国学会報』61集、2009年)
秋岡英行(あきおか ひでゆき)
・1968年兵庫県生まれ
・中国思想史、道教内丹学
・大阪市立大学非常勤講師
・「陸西星の内丹思想」(『講座道教』第3巻「道教の生命観と身体論」雄山閣出版、2000年)、 「内丹劇初探:蘭茂『性天風月通玄記』」(麥谷邦夫編『三教交渉論叢』京都大学人文科学研究所、2005年)、 「『唱道真言』における内丹の儒教的理解」(麥谷邦夫編『三教交渉論叢続編』京都大学人文科学研究所、2011年)
緒方賢一(おがた けんいち)
・1965年愛知県生まれ
・中国近世思想文化史、庭園論
・立命館大学言語教育センター嘱託講師
・「「編集」という名の思想:劉清之の『戒子通録』をめぐって」(『立命館言語文化研究』第21巻3号、2010年)、 「呉江宣巻のテクストについて:朱火生氏の宝巻を中心に」(佐藤仁史・太田出・藤野真子・緒方賢一・朱火生編『中国農村の民間芸能-太湖流域社会史口述記録集2』汲古書院、2011年)、 「礼が形作る身体」(井上克人・黄俊傑・陶徳民編『朱子学と近世・近代の東アジア』台大出版中心、2012年)
宮崎順子(みやざき よりこ)
・1961年大阪府生まれ
・風水史、民間信仰、中国の占術
・関西大学非常勤講師
・「伝郭璞『葬書』の成立と変容」(『日本中国学会報』58集、2006年)、「音韻による土地占い」(武田時昌編『陰陽五行のサイエンス 思想編』京都大学人文科学研究所、2011年)、『風水探源:中国風水の歴史と実際』(共訳書、何曉昕著・三浦國雄監訳、人文書院、1995年)
野崎充彦(のざき みつひこ)
・1955年奈良県生まれ
・朝鮮古典文学・伝統文化論
・大阪市立大学大学院文学研究科教授
・『韓国の風水師たち』(人文書院、1994年)、『コリアの不思議世界』(平凡社、2003年)、『青邱野談』(訳注、平凡社、東洋文庫、2000年)、 『洪吉童伝』(訳注、伝許筠著、平凡社、東洋文庫、2010年)
发表于2024-11-27
術の思想 2024 pdf epub mobi 电子书
图书标签: 思想史 日本 日人漢學 宗教人類學 计划 方术 文化研究
陰陽五行説に基づく風水などの数理思考と吉凶判断の合体した知識体系=術数は、永く雑学として貶められてきた。しかし、それは民衆はおろか官僚・知識人にも深く染み込んだ学知であり、中国文化の豊饒の大地であった。三浦國雄博士古稀記念の野心的な論集。
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……我々が学術的な意味で〈術数〉というとき、この芸文志─四庫提要ラインを踏まえるのがルールになる。すなわち、〈数〉(ここには十干十二支をはじめ陰陽五行も含まれる)と〈占〉とが合体した特有の〈知〉、というのが一応の定義になるだろう。しかしながら、〈術〉や〈術数〉の用例を歴代の文献で調べてみると(もとより概観したにすぎないが)、こういう枠からはみ出しているものが少なからずある。ひとつは〈呪術〉との境界である。四庫全書館の学人たちが〈呪術〉を〈術数〉のカテゴリに入れていないのは、そもそも〈呪術〉なるものは近代知性によって発見された分野であり、旧時代の中国で一箇の〈知〉として認知されていたわけではないから当然のことではある。
〈術〉ないし〈術数〉の中身に関しては、一方で『四庫提要』とは対極的な民間の定義というものがある。もとより権威としての『四庫提要』は意識されているはずであり、基本は踏襲されているが、それをかなり変容させている。いわゆる〈五術〉という捉え方がそれである。〈五術〉とは、台湾の術者のあいだで広く伝承されている〈術〉の分類法で、私も台湾で何度か耳にした。〈命〉〈卜〉〈相〉〈医〉〈山〉の五つであるが、その列挙の順番や中身については必ずしも統一されていないようである。……
さて、私たちのこの本は、はじめに述べたように当初から〈術〉で出発したわけではない。まして、『四庫提要』の〈術数〉観や〈五術〉説に則ってテーマを割り振ったわけでもない。それらも一応は視野には収めつつも、自分の考える〈術〉観と自分に書けるテーマで自由に論じてもらった。そういうわけで、ここでいう〈術〉はゆるやかな定義に従っている。〈術数〉とはせず〈術〉と名づけたゆえんである。〈術〉として長生術や交霊術も扱い、〈呪術〉にも説き及んでいる。 (総説より)
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